
パキスタンの都市、ハイデラバード。この街には、イスラム建築の真髄を体現する壮麗なモスク「ザ・マザー・オブ・パールモスク」が存在します。その名の通り、母なる真珠のように輝きを放つこのモスクは、白大理石と色とりどりのモザイクタイルで飾られ、まるで宝石箱のような美しさを誇ります。
ハイデラバードは、インド亜大陸の南東部に位置する都市であり、かつてはシンド王朝の支配下にあった歴史的な街です。この街には、イスラム文化が深く根付いており、数々のモスクや廟など、イスラム建築の遺産が残されています。ザ・マザー・オブ・パールモスクはその中でも特に傑出した存在として知られており、世界中から観光客を引きつけています。
建築の美しさに息を呑む
ザ・マザー・オブ・パールモスクは、19世紀後半に建設されました。その設計は、シンドの王ニコラスがイギリスの建築家、ウィリアム・クックに依頼しました。クックは、ムガル建築の影響を受けながら、独自の感性を取り入れたデザインを生み出しました。
モスクの外観は、純白の大理石で覆われています。この大理石は、パキスタン北部のパキスタンのカラチから運ばれてきました。大理石の表面には、繊細な彫刻が施されており、光の当たり方によって様々な表情を見せてくれます。
モスクの内部は、色鮮やかなモザイクタイルで装飾されています。これらのタイルは、ペルシャやイラクなど、中東各地から集められました。タイルには、幾何学模様や花柄など、様々なデザインが描かれており、まるで絵画のような美しさです。
天井には、吹き抜け構造になっており、光が差し込むことで、内部全体が明るく照らされます。天井には、華やかな装飾が施されており、壮大で神秘的な雰囲気を醸し出しています。
静寂の中に響き渡る祈りの声
ザ・マザー・オブ・パールモスクは、イスラム教徒にとって重要な礼拝の場でもあります。毎日の祈りの時間には、多くの信者が集まり、静かに祈りを捧げています。
モスク内部に入ると、外の世界の喧騒を忘れてしまうほどの静寂が広がっています。信者の祈りの声だけが響き渡り、神聖な雰囲気に包まれます。
観光客もモスク内部を見学することができますが、礼拝の時間帯は避けるようにしましょう。また、モスク内では、服装規定がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
ザ・マザー・オブ・パールモスクへのアクセス
ハイデラバード市内からザ・マザー・オブ・パールモスクまでは、タクシーやオートリクシャーで約15分です。モスク周辺には駐車場も整備されています。
モスクの開館時間は、午前9時から午後5時までです。入場は無料ですが、寄付をすることができます。
ハイデラバード観光の拠点に
ザ・マザー・オブ・パールモスクは、ハイデラバード観光の際、必ず訪れたいスポットの一つです。美しい建築と静寂な雰囲気を満喫することができます。
モスクの近くには、その他の観光スポットも点在していますので、ハイデラバード観光の拠点としておすすめです。